韓国料理の中でもポピュラーなチヂミですが、韓国現地ではなんと呼ぶかご存じでしょうか?
チヂミという呼び名の由来や、料理としての違いについてまとめました。
韓国ではチヂミと言っても通じない!
見出し通りですが、韓国で「チヂミください」と言っても、まず通じません。
日本と韓国、両方で暮らしたことのある筆者ですが、読者には申し訳ない限りで、正直、どうしてチヂミをチヂミと言うのかわかりません。チヂミはハングルで지짐이ですが、言葉通りに解釈すると「지진 것」、つまり、鉄板焼きや焼き物の総称です。
韓国では使われず、日本でだけチヂミと言うのは、戦時中、朝鮮半島から日本へ渡ってきた方々によって広まったからかもしれません。南部出身の方が多かったと言われていますので、もしかしたら慶尚道や全羅道あたりの方言かもしれませんね。
さておき、韓国ではチヂミのことを「전(チョン)」もしくは「부침개(プチムゲ)」と呼ぶのが一般的です。現地のスーパーでは、お好み焼き粉よろしく、プチムゲの粉が売っています。
チョンにも種類が色々あり、中でも代表的なものが「파전(パジョン)」です。パはネギ、ジョンは上に書いたチョンのことです。筆者個人的には、シーフードをたくさん使った해물파전(ヘムルパジョン)がお気に入りです。
パジョンのバリエーションは次のようなものがありますので、メニュー選びの参考にしてください。
- 파전(パジョン) ネギ主体の一般的なもの
- 해물파전(ヘムルパジョン) エビや貝を使った豪華なパジョン
- 김치전(キムチジョン) キムチの入った赤いパジョン
- 감자전(カムジャチョン) 小麦粉の代わりにジャガイモをメインにしたもの
チヂミ(지짐이)とパジョン(파전)の大きな違いは卵の有無
韓国ではチヂミという呼び名が一般的でないことは確かですが、現に日本ではチヂミという韓国料理が定着しています。
この上で、チヂミとパジョンの違いについて言えることは、卵を使うかどうかという点だと思います。
写真は提携サイトから拝借しました。
両者共に、生地に卵を練りこむことはしませんが、チヂミが小麦粉を水に溶いて両面を焼くのに対し、パジョンは片面に具材を乗せた後、溶き卵でとじて作ります。
日本で食べるチヂミは、どちらかというと빈대떡(ピンデトッ)に近いです。ちなみに祭事でよく出てきます。ネギではなくニラが乗っていたり、ニンジンが入っているものもありますね。また、日本の小麦粉は薄力粉ですが、韓国では中力粉がメインなので、食感も異なります。
まさに、所変われば品変わるといったところですね。
韓国でチヂミを食べたければ「パジョンください」と言いましょう
色々と書きましたが、韓国でチヂミが食べたいと思ったら「파전」の文字を探しましょう。「지짐이」はあまり見かけません。
ソウルからプサンまで旅をしたこともありましたが、どこに行ってもパジョンはありました。
ぜひ、日本で食べるチヂミとの差を楽しんでみてください。
最近はインターネットやカルディなんかでも、パジョンのお好み焼きミックスが売っていますので、チェックしてみてください。
韓国のスーパーでの定番はオットギです。小麦粉より少し割高くらいのお金で買えます。