会社員からフリーランスとして企業を進めている筆者が、もう一度、個人事業を営む理由についてまとめてみました。
安定と言われている会社員を辞めてまで、自由業を営む意味について迷っている方の道しるべになれれば幸いです。
私が正社員を蹴ってフリー講師の道を選んだ理由
私は、韓国語のフリー教師として、当ブログを立ち上げました。
それ以前は会社員で、それなりに安定した給与をいただいておりましたが、裸一貫でフリーの講師として働くことを決意したのは、次のような理由からです。
会社が嫌いだから
会社が嫌いだからという理由でフリーランスとなる人は、珍しいと思いません。
会社の給与が不満、評価が不満、通勤が嫌、人間関係が煩わしい、などは一般的な例ですが、世の中には、会社という組織そのものに対して拒否反応を起こすようなタイプの人間が、一定以上存在します。
これは雇われる側だしても、雇う側だとしても関係ありません。とにかく、会社そのものが嫌なのです。
私の場合は、会社には株主としての立場として以外、かかわりたくないと思っています。
このため、会社員でも社長でもなく、個人事業主という道を選んだ次第でございます。
時間と住む場所にとらわれたくないから
「出稼ぎ」という言葉は、使われなくなって久しいですが、仕事といえば、依然都市部に集中しており、都心で仕事をするには、どうしても交通機関やお店の混雑、高い家賃か長い通勤時間に耐えなければいけません。
ですが、仮に特定の会社に仕事場を制限されることがなければ、自分で自分の働く場所を決定できます。
更に、オンラインで完結できるようになれば最高です。家賃の低い田舎や、実家の近く、あるいは物価の安い国で仕事をすることもできるからです。減収分を生活費の削減で補うことができるのなら、それは年収アップと同義です。課税所得が減るなら、収入を上げるよりもコストを下げたほうがいいくらいです。
フリーになることで年収が数百万単位で低下しても、受ける恩恵がまた大きいため、メリットとデメリットを天秤にかけて、フリーランスを選んだ次第です。
モノを持たない生活を実現できるから
これは前項と重複する部分がありますが、会社員である以上、家は必ず持たないといけません。
家を持つことは、家具を持つことでもあります。こうなると当然ですが、家具にかかるコストがかかってきます。
家具にかかるコストと一口に言っても、購入費用以外の様々なお金が必要です。
- 本体価格
- 修繕費用
- 耐用年数に基づいた購入費用積立
- 引っ越し時の運搬費用
そもそも、モノを持つということは、モノについての悩みを抱えることにつながります。
- 冷蔵庫あと何年持つかな?
- 引っ越しになったら食洗器の分岐水栓使えるかな?
- ずいぶんとモノが増えたなあ…。次転勤になったら荷物まとめるのが憂鬱だよ…。
- 今の物件は照明つきだけど、次はどうだろう?
- 本当はこんなに食器いらないんだけど、来客増えるようだととっておかないとな…。
- そういえばアレってどこやったっけ?アレだよ、アレ。
- 窓の数が変わったらカーテンの丈足りるかな?
ミニマリスト的な感性を持った人なら、会社員を辞めてモノを持たない生活を始めてみませんか?
圧倒的にストレスフリーな生活が実現できるはずです。
自分の可能性を試したいから
会社員時代の末期は、いくら業務改善を提案しても、上司に意見を握りつぶされて、能力以下の仕事しかできませんでした。やる気はあっても、機会があたえられなければ、人は腐ってゆくのです。
面白くないことももちろんですが、このままだと自分の成長が止まってしまうのではないかと、恐ろしくなったことを覚えています。
あれもやりたい、これもやりたい、でも会社にいたらそんなことできない。自分に得意なことがあっても、上司に人事権がなければ、活躍の場所も与えてもらえません。
三国志なら、諸葛亮なんていう一流どころでも、劉備にスカウトされなければ、一生無名で終わった可能性だってあります。活躍の機会がなければ、どれだけ素晴らしい才能を持っていても、それが発揮されることがありません。
誰にも止められることなく、自分がどこまでやれるのか試したい、そんな気持ちがあるなら、フリーランスになる価値はあります。
もちろん、対価に見合った能力がなければ淘汰されてしまうので、プロとして最低限の能力と矜持は持ち合わせるべきかと思いますが。
会社員以外の稼ぎ方を知らないのはリスクだから
お金を稼ぐことの本質は、自分の持っているリソースを金銭へと交換することです。
会社員がもっぱら売っているのは、彼らの時間、言い換えれば人生そのものです。
人生を会社へ切り売りする代わりに、適当に仕事さえこなしていれば、よほど素行が悪くない限り解雇もされず、会社の業績が悪くても給料はもらえるので、安定しているのだと人は言いますが、私は会社員以外の職業へとつく力を養えないのは、一方でリスクだと思っています。
会社という枠組みの中でしか生きられないという選択を、無自覚に取っているのは、考えようによっては恐ろしいことです。30代までなら、かろうじて次の会社へ転職できるかもしれませんが、40台、50台と年を重ねるにつれて、会社から見放されたら生きていけなくなってしまうからです。まして、それまでに会社で不遇を受けてきて、なんのポストももらえないまま会社を辞めることになったら、最悪です。
今は、法律で無期雇用形態の労働者(要は正社員)を解雇することができませんが、いつ法律が変わるかなんて、誰にも分りません。親世代の常識であった終身雇用制ですら、すでに崩壊しているのです。常識は時代とともに変化するのが当たり前です。今や、正社員の安定性は砂上楼閣ではないでしょうか。
リスクを取らないのが、ある一方ではリスクだということです。
フリーランスなんて個人店と一緒。特別でもなんでもない
街を歩けば、個人で経営している飲食店や商店など、普通にありますよね?
開業して稼ぐことは普通のことなのです。にもかかわらず、あたかも会社員がスタンダードであると錯覚している人がたくさんいます。
もちろん、上には上がありますが、トップでないとプロになれないなんていう理屈はどこにもありません。
イチローレベルじゃないとプロ野球選手になれないなら、野球チームなんて作れません。下には下があるのです。やったもん勝ちです。
プロという言葉は、その職業で給料をもらって生活しているという肩書であって、能力を示すものではありません。プロより能力のあるアマチュアだっています。
能力に自信がないからといって、自分の稼ぎ方を限定してしまうのはもったいないです。