韓国でよく使われる「ヒョン」という言葉の意味について解説します。
韓国のメディア番組などで、男性同士でヒョンと呼びあっているのは、どのような意味なのでしょうか?
ヒョンもオッパも同じ意味。男言葉か女言葉の差です
表題のヒョンとは何か?について一言で答えますと「兄」のことです。
兄を韓国語で音読みすると형(ひょん)となるわけです。
漢字由来の言葉は、韓国語にも音読み、訓読みの概念があるのですよ。
このヒョンという言葉、형님(ひょんにむ)と使われるほうが丁寧ですが、昨今の韓国では、砕けた表現として、単に형と呼ぶことが多いように思います。適当な対訳がないため、アニキと訳されることもありますね。
韓国語の講師である私としては형님(ひょんにむ)の使用を推奨します。韓国では、バイト先の店長や学校の先生に対しても敬称である님(にむ)を付けるからです。日本で兄さまと呼ぶと違和感がありますが、韓国では兄さまと呼ばないと失礼に当たるケースがあります。儒教文化の差ですね。
それでは、同じ意味を持つ오빠(おっぱ)はどのように使い分けるのでしょうか?
これは単純で、男性が使う場合はヒョン、女性が使う場合はオッパとなるだけです。男言葉と女言葉の差ですね。ヒョンと違って、オッパは純韓国語です。
ヒョンは馴れ馴れしくオッパは甘えた印象
さて、辞書的な意味については上で解説した通りですが、肝心の韓国語でのニュアンスとしてはどのように聞こえるのでしょうか?
見出しにも書きましたが、ヒョンと呼ぶと、若干距離感が近いです。関係性にもよりますが、ややもすれば、馴れ馴れしいと映ることがあるかもしれません。
KPOPのグループ内で、ヒョンと呼んだりするのは、彼らの関係性が近いか、親密さをアピールしたいからかもしれませんね。
一方、女性語のオッパについては、韓国内でも一般的な呼称でありますが、私としては乱用を推奨しません。これまた距離感が近すぎるのです。
実際の親類から学校の先輩、広義には年上の男性全般に使われることがありますが、いわゆる「おにいさん」的な使われ方をすることがあり、男性諸氏に媚びた印象を与えることがあります。
それではなんと呼べばいいのか?私としては、単純に「名前+씨(し/~さん)」と呼ぶことをおススメします。これが一番当たり障りがなく、失礼もないからです。
ヒョンと呼んでもいいけれど相手を選ぶべし
以上、主にヒョンというい言葉についての解説でした。
単純に兄を指す言葉ではありますが、色々面倒な使われ方をすることがある、という程度にわかっていただければ幸いです。
繰り返しとなりますが、韓国語で当たり障りのない敬称は「名前+씨」です。ビジネス的には「名前もしくは役職+님(にむ/~様)」と呼べばパーフェクトです。
韓国語は、英語などと比べて日本語と近く、特に上下関係の表明にはうるさい言葉です。
うっかり誤った使い方をして、相手を不愉快にさせないよう配慮しましょう。