韓国語でチンチャとチョンマルの使い分けについて。

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韓国語で「チンチャ」と言うべきか「チョンマル」と言うべきか、シーンごとに迷ったことはないでしょうか?

類義語なので迷うのも当然ですが、細かい使い分けについて、元ソウル在住者が解釈してみました。

チンチャもチョンマルも類義語である

結論を急ぐと、チンチャもチョンマルもほぼ同じ意味です。

ただし、チンチャは本来の「真」という意味のほかに「マジで」という俗語的な使われ方をします。

一方、チョンマルは「本当、本当に」という意味です。

それでは、実際の用法について解説しましょう。

진짜(ちんちゃ/真)は話し言葉で「マジで?」と訳されることが多い

チンチャのチンは「真」の字です。辞書的に言葉を紐解くと「真のもの」という意味になります。対義語は가짜(かちゃ)で「偽のもの」という意味です。

半分漢字由来であるため、次のような派生語もあります。

  • 진실(ちんしる/真実)
  • 진담(ちんだむ/本当の話)

本来の意味は、ややもすれば堅苦しいものでした。なにせ合わせて「真偽」です。これがどういうことか、現代の韓国では、話し言葉を中心に「マジで?」というスラング調のニュアンスで使われるようになりました。筆者自身、学生時代は完全に「マジ?」のニュアンスで使用していた次第です。

ただし、元々の「真実」という意味で使われることも普通のことであるため、極端な俗語というわけでもありません。

진짜요?(ちんちゃよ?)など、語尾を調整すれば敬語調にもできますが、昨今の文脈からして、目上に対して使う場合は注意が必要です。

정말(チョンマル/本当)は意味の変遷なく「本当に?」と訳される

チョンマルは「正」の字を冠しています。マルは「言葉」という意味で、そのまま訳すと「正の言葉」。つまり「本当」という意味になります。

用法としては、完全に独立した語彙となっており、チョンマルで一つの表現として理解すればいいです。

チンチャが「マジで?」のニュアンスで使われるのに対し、チョンマルは「本当に?」と訳せます。

  • 정말이에요?(ちょんまりえよ?/本当ですか?)
  • 정말입니까?(ちょんまりむにか?/本当でありますか?)
  • 정말로 고맙습니다.(ちょんまるろ こまぷすむにだ/誠にありがとうございます)

上の例のように「真実である」という意味合いと「誠に」という強調の意味合い両方で利用できます。名詞的にも副詞的にも使える訳ですね。

余談ですが、チョンマルの対義語は거짓말(コジンマル/嘘)です。反対語の次元では、チンチャと明確にニュアンスが分かれるのが特徴です。

チンチャとチョンマル。時代と共に用法が変異していった良い例

日本語でもそうですが、時代に応じて使われ方が異なってくる言葉は珍しくありません。

今回題材にあげたチンチャとチョンマルはその好例だと思います。もっとも、チンチャは元の意味通り使われることがあるため、ややこしいところですが。

韓国語を学ぶほど、本来の辞書的な意味と異なる使われ方をする言葉に接することがあります。そのような場合は、言葉の由来だけにこだわるのではなく、時代に合った柔軟な思考で対応できるのが好ましいと思います。

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