ハングルには基本母音と合成母音がありますが、合成母音を苦手とする方が多いため、学習のポイントをまとめました。
それぞれの発音で気を付ける点を、一音ずつ解説していますので、合成母音をマスターしたい方は参考にしてください。
ハングル合成母音(二重母音・複母音)の発音について
ハングルの母音は21音ですが、その中の11音は合成母音です。
韓国では이중모음(二重母音)、あるいは복모음(複母音)と呼びますが、日本語のテキストでは合成母音と表記されることが多いため、検索してきてくれた方のため、この記事内では合成母音と呼称します。
なお、自作テキストでは이중모음に統一しています。
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合成母音は、読んで字のごとく、基本母音を組み合わせて作る母音のことです。
当然、単母音をマスターしてから合成母音にうつるべきなのですが、母音の発音で最も大事なことは、口の形です。
そこで、前回記事にまとめたのと同じ手法で、顔文字を使って発音方法を紹介します。
韓国語の合成母音は次の11音です。
口の形 | 😃 | 😃 | 😦 | 😦 | 😲
😬 |
😙
😬 |
😐
😬 |
😙
😦 |
😙
😦 |
😲
😃 |
😲
😃 |
ㅇ(イウン) | 애 え |
얘 いぇ |
에 え |
예 いぇ |
외 うぇ |
위 うぃ |
의 うぃ |
워 うぉ |
웨 うぇ |
와 わ |
왜 うぇ |
なお、順番にはアレンジを加えています。(正式な順番は、애얘에예와왜외워웨위의)
- 😃애, 얘(え、いぇ) 아(あ)と同じ形で発音しましょう。
- 😦에, 예(え、いぇ) 어(お)と同じ形で発音しましょう。
- 😲😬외(うぇ) 오(お)の形から이(い)の形に変形します。
- 😙😬위(うぃ) 우(う)の形から이(い)の形に変形します。
- 😐😬의(うぃ) 으(う)の形から이(い)の形に変形します。
- 😙😦워(うぉ) 우(う)の形から어(お)の形に変形します。
- 😙😦웨(うぇ) 우(う)の形から에(え)の形に変形します。
- 😲😃와(わ) 오(お)の形から아(あ)の形に変形します。
- 😲😃왜(うぇ) 오(お)の形から애(え)の形に変形します。
合成母音の使い分けについて
ハングルの合成母音の発音は、日本語に直すと同じ音が多く、少し聞いただけでは区別できないことがあります。
このため、それぞれの母音別に、もう一段掘り下げて解説します。
😃애, 얘(え、いぇ)
口の形だけ見ると複合母音ではないのですが「ㅏ+ㅣ=ㅐ」で「애」です。
日本語の「え」よりも、少し口を大きく開いて発音しましょう。
「얘」は「いぇ」と発音しますが、他の子音と組み合わせた場合「애」と同じ発音になる場合があります。
【例】얘들(いぇどぅる)、걔집애(けじべ)
「얘」を使った単語は数があまり多くないので、お目にかかることも少ないでしょう。
😦에, 예(え、いぇ)
「애, 예」同様、発音上は単母音と同列です。
「에」は日本語の「え」とほぼ同じですので、あまり意識しなくても大丈夫です。
「예」も「애」と同様に、他の子音と組み合わせたときに発音が「에」と同じとなる場合があります。このあたりの法則性は、厳密に語りづらい反面、単語を覚えていくと自然と習得するようになります。
【例】예의(いぇうぃ)、계산(けさん)
😲😬외(うぇ)
ここから母音発音上、合成母音としての性質を帯びてきます。
口の形が最初は「오」、そこから素早く形を変えて「이」となるのです。
「うぇ」の発音は3種類あり、一番使い分けが難しいです。個人的には、この「외」が一番日本語の「うぇ」に近いと思われます。
😙😬위(うぃ)
唇を前に突き出して「우」の形を作った後、口を横に引っ張って「이」の形で締めくくります。
「우」をベースにした合成母音は、意識して唇を突き出すとうまく使い分けられるのですが、口の形をおざなりにすると通じにくくなるので気をつけましょう。
😐😬의(うぃ)
「으」と口を寝かせた状態から始まり「이」と口を横一文字にして結びます。
口の変化の形が少ないので、比較的やさしい部類に入りますが、登場機会は多めです。
また「~の」を表す助詞「의」の用法では「에(え)」と発音変化するのが大きな特徴です。
【例】의자(うぃじゃ)、그의 소리(くえ そり)
😙😦워(うぉ)
「워」は、他同様「우」から始まる合成母音ですが、ハングルに「うぉ」は一文字のみですので、あまり意識しなくても通じます。
😙😦웨(うぇ)
「웨」は「うぇ」の中でも一番意識して発音しないと判別できない母音です。
ただし、前述の「얘」と同様「웨」を使った単語も、ごくごく限定的ですので、難しければ後回しでも大丈夫です。
😲😃와(わ)
口の形が「오から아」に変化するのですが、他に「わ」の発音がないので、日本語と同じように発音してもいいです。
合成母音は単母音の応用なのでまずは基本をしっかりと
繰り返しとなりますが、合成母音は単母音の応用です。
単母音がうまく使えないと、合成母音も使えないので、まずは顔の筋肉が痛くなるくらい、徹底的に単母音を練習してください。
より体系的にハングルを習得したい方向けに、自作テキストを公開していますので、興味のある方は参考にしてみてください。