韓国語は「子音+母音」で成り立つ文字です。
しかし、ハングルの構成で忘れてはならない、また、日本人なら必ず直面する問題があります。
それが받침です。
받침は語学上「終声」と呼ばれるものですが、日本語にない概念のため、カタカナで「パッチム」と表記されることが多いです。
日本語には存在しないため、最初は戸惑いますが、焦らず一つ一つ習得していきましょう。
받침(パッチム)とは何か?
パッチムについて詳細な解説をする前に、そもそもパッチムとは何かについて、簡単に理解しましょう。
日本語の発音は必ず母音で終わる一方、韓国語には子音で終わる音があります。
たとえば「받침」という言葉自体、分解すると次のようなパーツで構成されているのがわかります。
- 받 (ㅂ+ㅏ+ㄷ)
- 침 (ㅊ+ㅣ+ㅁ)
日本語で発音表記すると「パッチム」ですが、この「ッ」と「ム」の部分がパッチムです。
「子音+母音+子音」の、最後の子音部分がパッチムです。
このためパッチムは終声というカテゴリーに入ります。
받침とはハングルの発音を締めくくる子音パーツである
さて、パッチムという概念を説明する前に、ハングルの子音についておさらいしましょう。
ハングルの子音は次の19音です。
発音種類 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
平音 | ㄱ く ぐ |
ㄴ ぬ |
ㄷ とぅ |
ㄹ る |
ㅁ む |
ㅂ ぶ ぷ |
ㅅ す |
ㅇ う |
ㅈ ちゅ ぢゅ |
激音 | ㅋ ク |
ㅌ トゥ |
ㅍ
プ |
ㅎ ふ |
ㅊ チュ |
||||
硬音 | ㄲ ク |
ㄸ トゥ |
ㅃ
プ |
ㅆ ス |
ㅉ チュ |
そして、ハングルを書くときは次のようなルールがあります。
- 子音→母音の順番に表記する。
- 子音は左もしくは上に配置する。
- 母音は右もしくは下に配置する。
子音が左→母音が右
子音が上→母音が下
このように、ハングルは「子音+母音」からの成り立ちが原則ですが、もう一つ原則があります。
それが、「子音+母音」の後に받침を足した「子音+母音+子音」の構成です。
子音が左→母音が右→子音が下
子音が上→母音が真ん中→子音が下
青の部分が子音、オレンジの部分が母音、そして緑の部分がパッチムです。
パッチムとは韓国語で「下敷き」の意味があり、その名の通り、必ずハングルの一番下に配置されます。
発音の最後を締めくくるという意味で、また、ハングルのパーツの中で必ず下に配置されるという意味で、パッチムは下敷きであると覚えておくといいでしょう。
パッチムの理解は子音の勉強から
パッチムは子音記号を用いていることからもわかるように、ハングルの子音に対する理解がないと習得できません。
個人的には、ハングルの子音を完全に覚えた!と胸を張って言えるまでは、パッチム抜きで勉強すべきだと思っています。